目次
ロジックツリーとは？
ビジネスの現場では、複雑な問題を解決するために「ロジカルシンキング」が不可欠です。
その中でも特に有効な手法が「ロジックツリー」です。
問題を階層的に整理し、原因や解決策を視覚的に把握することができるツールです。
この記事では、「イシュー」や「ミーシー」といった概念も含めて、ロジックツリーの活用方法をわかりやすく解説します。
※記事の最後に練習問題＋回答例を4問ほど作成しました。よければ是非ご活用くださいませ。
イシューとミーシーとは？
ロジックツリーを活用するには、まず「イシュー（Issue）」と「ミーシー（MECE）」という概念を理解することが大切です。
イシュー（Issue）
イシューとは「解決すべき問題」のことです。
ビジネスにおいて、解決すべき課題や問いを明確にすることが重要です。
例えば、「売上が伸びない」「顧客の満足度が低下している」といったものがイシューです。
※「イシューの見つけ方」については以下のロジックツリーを作る際の注意点にまとめておきます◎
ミーシー（MECE）
ミーシーは、「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive（互いに排他的で、全体的に漏れがない）」という原則を表します。
問題を分析する際、重複や漏れがないように整理することが大切です。
ロジックツリーを作成する際、このミーシーの考え方を使って、問題を分解していくことで、全体像を把握しやすくなります。
※「ミーシーの注意点とコツ」については、イシューと同様にロジックツリーを作る際の注意点にまとめておきます◎
ロジックツリーの仕組み
ロジックツリーは、大きく「原因分析ツリー」と「課題解決ツリー」に分かれます。
この2つの枠組みを理解することで、問題解決のプロセスがスムーズになります。
1. 原因分析ツリー
まず、イシューを明確にした後、問題の原因を探る「原因分析ツリー」を作成します。
これにより、複雑な問題も論理的に分解することができます。
例えば、売上が下がったという問題が発生した場合、その原因をツリー形式で深掘りしていきます。
- 売上が下がる原因は何か？
- 顧客数が減少している
- 平均単価が低下している
- リピート率が低い
このように、イシューをミーシーの原則に従って分解し、各原因を論理的に整理します。
※各原因を掘り下げる際は「因果関係」を意識する必要があります。
詳細についてはロジックツリーを作る際の注意点にまとめておきます◎
2. 課題解決ツリー
原因が特定できたら、次は「課題解決ツリー」を作成し、具体的な解決策を見つけ出します。
このツリーでは、原因ごとにどのような解決策が考えられるかを明確にします。
- リピート率を上げるには？
- ロイヤルティプログラムの導入
- カスタマーサポートの強化
- 新製品のリリース
ロジックツリーを作る際の注意点
ロジックツリーを作成する際には、次の点に注意することが大切です。
-
イシューを明確にする
最初に解決すべき課題（イシュー）をしっかり定義することで、分析の方向性がぶれなくなります。 -
ミーシーの原則を守る
問題を分解する際は、ミーシーの原則を意識して、重複や漏れがないように整理しましょう。 -
原因分析ツリー:因果関係を意識する
各原因がどのように問題に繋がっているのか、しっかりと因果関係を考えることで、効果的な解決策が見つかります。ロジックツリーの実践例
次に、早速、具体的な実例を用いてロジックツリーの使い方を見ていきましょう。
※今回の記事の目的は、ロジックツリーの作成に「触れてみる」、「慣れてみる」ことですので、記事内の設問のイシューは、あえて簡易的に設定しています。
問題:最近、新しくA社から仕入れた新商品の売れ行きが伸びていない
イシュー：新商品の売れ行きが伸びていない
原因分析ツリー：
- 認知度が低い
- 広告活動が不足している
- SNSでのプロモーションが効果的でない
- 価格が高い
- 競合商品と比較して高価格
- 割引キャンペーンが少ない
- 品質が低い
- 顧客レビューでの低評価が目立つ
- 製品の機能が他社に劣っている
課題解決ツリー：
- 認知度向上のためにSNSキャンペーンを実施
- 価格設定を見直し、割引キャンペーンを展開
- 顧客レビューをもとに製品の改善を行う
このように、イシューを明確にし、原因と解決策を整理することで、問題に対して適切なアクションを取ることができるようになります。
- 認知度が低い
ロジックツリーの使い方を練習しよう！
最後に、ロジックツリーの練習問題を用意いたしました！(実践的な設問を3問＋プライベートな設問を1問)
回答例を一緒に記入していますが、「これが模範解答！」というわけではありません。
※むしろ当たり障りないものに留めております。
練習問題を通し、まずはロジックツリーに触れてみる、慣れてみることを目標に、気軽な気持ちで是非挑戦してみてください！
設問①
問題：ある企業で、顧客満足度が低下しており、リピート顧客が減少しています。
※まずはイシュー(問題)の抽出→その次に原因分析ツリー→最後に課題解決ツリー ですね！
①の回答例
イシュー：
「顧客満足度が低下し、リピート顧客が減少している」
原因分析ツリー
-
サービスの質が低下している
- スタッフの対応が遅い
- 問い合わせの返信が遅い
-
製品の品質が低い
- 製品の不良率が高い
- 他社製品と比べて機能が劣る
-
顧客サポートが不十分
- 問い合わせ窓口の対応が悪い
- サポート体制が整っていない
解決策ツリー
-
サービスの質を向上させる
- スタッフの教育を強化し、対応速度を改善
- 問い合わせ対応時間を短縮する仕組みを導入
-
製品の品質を改善する
- 品質管理の強化
- 製品レビューを基に改善点を反映
-
顧客サポートの強化
- チャットボットやFAQを導入し、顧客対応の効率を上げる
- 顧客フィードバックをもとにサポート体制を見直す
設問②
問題：社員の生産性が低下しており、プロジェクトの納期が守れない状況が続いています。
※設問①と同様の流れで、この問題もロジックツリーを使って分析し、原因と解決策を考えてみましょう！
②の回答例
イシュー：
「社員の生産性が低下し、プロジェクトの納期が守れない」
原因分析ツリー
-
仕事の負担が大きい
- 一人あたりのタスクが多すぎる
- 残業が多い
-
コミュニケーションが不足している
- チーム間の情報共有が不十分
- リーダーからの指示が曖昧
-
モチベーションが低い
- 評価制度が不公平に感じられる
- キャリアパスが見えない
解決策ツリー
-
仕事の負担を軽減する
- タスクの分担を見直し、適切に割り振る
- 残業削減のための業務効率化を図る
-
コミュニケーションを強化する
- 定期的なミーティングを設定し、情報共有を徹底する
- 明確な目標設定とタスクの優先順位をリーダーが示す
-
モチベーションを向上させる
- 公平な評価制度を導入し、成果を適切に評価する
- キャリア開発のための研修や支援プログラムを提供する
設問③
問題：会社のウェブサイトのアクセス数が増えているものの、実際の購入率（コンバージョン率）が低い状況です。
※数をこなすと段々やり方がわかってきて楽しいですよね！ぐいぐい取り組んでいきましょう！
③の回答例
イシュー：
「ウェブサイトのアクセス数は増加しているが、購入率（コンバージョン率）が低い」
原因分析ツリー
-
商品ページの内容が不十分
- 商品説明が詳細でない
- 写真やレビューが少なく、購買意欲を刺激しない
-
購入プロセスが複雑
- 購入手続きが煩雑で時間がかかる
- 必要な情報入力が多く、途中で離脱してしまう
-
ユーザーの信頼が低い
- サイトのセキュリティが不明確
- 返品や保証に関する情報が不足している
解決策ツリー
-
商品ページを改善する
- 商品説明をより詳細にし、特徴やメリットをわかりやすく伝える
- 高品質な商品画像や、顧客レビューを増やして信頼感を高める
-
購入プロセスを簡略化する
- 購入手続きをワンクリックで完了できるようにし、必要な情報入力を最小限にする
- 支払い方法を多様化し、使いやすさを向上させる
-
信頼感を高める施策を実施する
- サイトのセキュリティ対策を明示し、安心して購入できる環境を整える
- 返品ポリシーや保証内容をしっかりと表示し、顧客の不安を取り除く
プライベートな設問④
問題：これまで一度も異性にモテたことがないと感じている。
※急に設問のテイストが変わりましたね(笑)
しかし、安心してください。ロジックツリーはどんなイシュー（問題）に対しても、有効的に活用することができます！
④の回答例
イシュー：
「これまで一度も異性にモテたことがない」
原因分析ツリー
-
外見に気を使っていない
- 髪型や服装が自分に合っていない
- 清潔感が欠けている
-
コミュニケーションに問題がある
- 会話が一方的で、相手の話を聞かない
- 緊張しすぎて自然体で話せない
-
自信がない
- 自分に自信が持てず、消極的になってしまう
- 他人の目を気にしすぎて行動が控えめ
解決策ツリー
-
外見を改善する
- 美容室で自分に似合う髪型に変え、ファッションアドバイザーに相談して服装を見直す
- 常に清潔感を保ち、身だしなみに気を配る
-
コミュニケーションスキルを向上させる
- 相手の話に耳を傾け、会話をリードするよりもバランスよくやり取りを心がける
- 自然体で話せるようにリラックスする練習をする（例えば深呼吸を習慣にする）
-
自信をつける
- 自分の長所を意識し、それを強みに感じるようにポジティブな自己暗示をかける
- 他人の目を気にしすぎず、自分らしく行動できる場面を増やす
（恥ずかしながら、これは実際にピエロ(筆者)が初めてロジックツリーを乱用…活用した時に扱った設問です。
回答例は全体的に当り障りないものにしておりますが、プライベートな内容は特に、基本的に誰かに見せるものでもありませんので、実際には、”固有名詞”や”詳細な情報”を惜しみなく記載した方が、より良い結果に繋がりやすいかとおもいます。）
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます！
まずはおつかれさまでした！！！
今回はたくさん脳ミソ使いましたね！
ロジックツリーにはじめて触れる方が多かったかと思いますが、いかがでしたでしょうか？
「なんとなくわかったけど、むずかしかった～」や、「これはビジネス現場で使えるかもな～」等々、様々感じたかとおもいます。
使えば使うほど、感度の良い、鋭利なロジックツリーを作成できるようになりますので、ぜひぜひ今後も活用されていってください◎
また、他にも、ビジネススキルや、人生を豊かに導くマインドセット関係の記事を用意していますので、ぜひ他の記事もチェックしてみてください！コメントもいただけると励みになります！
ではまたどこかでお会いしましょう～
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